第3章 もう、泣きそうです。
全身真っ黒の上等そうな衣装に身を包んだ、3mは優に越える、ガッシリとした体格の男が、ゆったりとした足取りで店に入ってきた。高級そうなコロンの匂いが、かすかにあたりに漂う。
金をかなりとれそうだ、とハルヒは気合を入れる。
「ドンキホーテ・ドフラミンゴのことを知り得る限り、答えろ。」
くぐもった声でそう言うと、男が、ハルヒの前に、札束をドサッと置く。20万ベリーといったところか。札を数えながら、ハルヒは、グレースさんから聞いていた、最近のドフラミンゴの航路と起こした事件、今いる島の名前、その状況を空で答えた。そして黙った。
すると男は、苛立ったように、またハルヒの前に札束を置いた。今度は、30万ベリーだ。この男は、かなり焦っているらしい。良いカモだ。ハルヒは、再び札を数えながら、どこまでこの男に教えていいものか、考えていると、男は怒ったようなに怒鳴り始める。
「そんなことは、知っているっ。ドフラミンゴの能力が何かが、知りたいんだっ。早くしろ、小娘。」
ハルヒは、はあっとため息をつきながら、口を開く。
「小娘、は余計よ、オジサマ?正確な情報が欲しいなら、口には気をつけなさい。まあ、特別に今回は許してあげるわ。」
男は、額に青筋をピクピクと立てながら、口や体をワナワナさせている。そして、男が強く息を吸い込んだ、その瞬間にハルヒは、また口を開く。
「イトイトの実の能力者よ。」
「どんな技を使うんだ?」
男が、いくらか落ち着きを取り戻したように聞く。しかし、ハルヒはまた黙る。男の青筋が2本になった。舌打ちしながら、50万ベリーをダンっと叩きつける。やっぱりこの男は、良いカモである。確認したが、偽札は一枚も使っていなかった。どうやらこれが今男が使える最大限の金額らしい。真面目で分かりやすい男だ、とハルヒは心のなかで笑う。さあ、サービスしてやろうか。
「いろんな技を使うわ。でも、一番注目したいのは、やっぱり”空の道”。彼は雲に糸を掛けて、空を飛べるの。」