第1章 私の脳内回路はショート中
怒声や罵声、悲鳴を浴びながら、ハルヒは、娼婦街の奥へと奥へと走っていた。水たまりを踏んだり、酒をぶっ掛けられたり、足を引っかけられて転んで、血まみれになったりしながらも、とにかく走っていた。
ハルヒを追いかける男たちの気配も足音も声も、刻々と多くなってきている。
ここは、本当に逃げにくい。そこら中で男と女が体を摺り寄せあい、暇な娼婦は、ハルヒをおもしろがって、ちょっかいをだしてくる。路地裏のさらに路地裏に入ろうにも、薬物中毒者やアルコール依存症の奴らが屯しているので、容易に逃げ込めない。
とにかくこの娼婦街を抜けよう。
ハルヒは、人の気配がほとんどしない場所を遠くにかんじながら、そこへと力を振り絞ってダッシュした。