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【カゲプロ】LIAR GIRL !!!

第1章 Pr.人嫌いの狼少女


……。

…………。

あれ?

「おーい、君。君ったら」

若い青年の声が聞こえる。
若しかして、死に損ねたのだろうか。いや、それにしては、身体に痛みがない。

目を開くと、そこには軽薄そうな、色素の薄い青年が佇んでいた。

「やあ、おはよ」
「……お早う」

青年が薄く微笑む。

あ。私、この笑顔、知ってる。

嘘に満ち溢れた、薄っぺらい笑顔。
大人のよくする、気持ち悪い顔。
私のよくする、いやな笑顔。

「……」
「やだな、そんな目で僕を見ないでよ」
「あの。何の用?ていうか誰?」
「ああそうだったね、教えてなかった。
君、死んじゃうところだったでしょ」
「はあ……まあ」

頷くと、彼も同じように頷く。

「僕は助けに」「いらない」

ノータイムで返事をした。むしろ食い気味だった。

「私は自殺しようとしたから。助けなんていらない」
「……ひゅー、クールじゃん」

冷やかすように彼はまた笑った。……一体何がしたいんだ。

「でもそういう訳にはいかないんだよね、規則でさ。
君は選ばれちゃったんだから、受け入れてもらわないと」
「選ばれた……?」
「そ。僕ら、願いを叶える蛇にね」

願いを叶える蛇?
何かの団体名?もしくは宗教?

「ああ、怪しい宗教とかじゃないから安心して? ……君は、メドゥーサって知ってる?」
「……絵本とかに出てくる、目を合わせると石になっちゃう、髪の毛が蛇の化け物でしょ?」
「そうそう。僕はその髪の毛の蛇なんだ」
「えっ?」

あんまり非科学的なもんだから、私は戸惑ってしまう。

「僕は《欺く蛇》鹿野修哉。君の望みをかなえて、幸せにする蛇だよ」

「……」
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