第2章 影に隠れし人
?「あの新撰組の土方はんから追われるやなんてあんさん一体 何しはったんや?」
不思議そうに私を見つめる短髪の人
右手には扇子を持っている
「…わからないです」
下を向いて応える。
“わからない” だって本当の事だから…
?「騒がしいと聞いて来てみれば…おかしな格好やし怪しまれるのも無理ないどすな…」
「おかしい…?」
ロングスカートが?服が?鞄が?
全然おかしくない…おかしいのは皆の方
ロングスカートを掴んで疑問に思う
?「とりあえず…ここにおっても見つかってしまうさかい ウチにおいで」
「え?」
少し急ぎ気味な男の人は私の手首を掴んで
早歩きで急ぐ
短髪で一瞬 綺麗な女性に見間違えるぐらいの
顔立ち
少し濃いめの紫の浴衣を着て
ミステリアスな雰囲気
全てが謎な人に思えた。