第6章 小さな芽生え
花恵「だいぶ落ち着きましたね」
梅「ホンマやね」
2人は忙しかった仕事を終えて
額の汗や首の汗を手拭いでふき
一杯の水を飲みほした。
隼哉「お疲れさんどす」
花恵「あ、隼哉さん お疲れ様です」
花恵はんは頭を下げる
梅「あれ?隼哉さん…」
少し驚きながら梅はんが
わてを見ている
隼哉「どないしましたか?」
梅「いや、はんと一緒におったんちゃいますの?」
隼哉「わては1人どすけど…梅はん 花恵はんと一緒にはん いるんやとてっきり思って…」
2人で顔を見合わせていると
花恵はんが口を開いた。
花恵「そう言えば…お使いから帰って来てない…と 思います」
隼哉「え?」
梅「ホンマやね お酒 買って来るの頼んで買って来たら声かけてって言うたし…」
隼哉「…………」
花恵はん と 梅はんの言葉に
はんと出逢った時の事を思い出す
もしかしたら…また何か…
隼哉「ちょっと わて探してくるさかい 少しの間 頼んます」
花恵「もしかしたら道に迷ってるかもしれません」
梅「任せて下さい」
勝手に身体が動き扉を勢いよく開けて
早めに歩く
花恵「隼哉さんのあんな顔…初めて見ました」
梅「ふふっ ホンマやね」
?「……………」