第5章 守り守られ
隼哉「はん お酒は買うたんどすか?」
「い、いえ…まだ…です…」
すっかりお使いの事を忘れていた。
また怒られるよ…これは…
隼哉「…ほな 早やく買いに行きますえ」
「はい…すみません」
呆れていつもなら溜め息をするはずの隼哉さん
今回は何も言わず…相当 怒っている…かもです…
土方「お前 買い出しの途中だったんだな」
「ええ…まぁ…」
私と隼哉さんを見て
土方が腕を組みながら言った。
土方「人を助けるのは誰もが出来るわけではない そこは褒めてやる…が、自分が女である事を忘れるな」
「え?…はぁ」
土方さんは…私を褒めているのだと思うけれど
どういう意味?
隼哉「………」
沖田「あの鬼の土方さんが人を褒めるなんて珍しい」
ププッと笑い沖田さんはニヤケながら
土方さんを少し馬鹿にしたように見えた。
土方「総司」
沖田「はいはい」
「…?」
さっきより声のトーンを低くして
沖田さんの名前を呼ぶ土方さん
つまらなそうにまるで子供が拗ねたように
頬をふくらまして返事をする沖田さん
土方「それじゃ 俺たちはこれで失礼する」
隼哉「いつもご苦労さんどす」
土方さんがアタマを下げると
隼哉さんも丁寧に頭を下げる。
沖田「じゃあ またね♪ ちゃん♪」
「はいっ‼ 助けていただきありがとうございました」
隼哉さんは歩き出し後ろから着いて行こうとするとー
土方「あ、逃げ足の速さも褒めてやる」
「…〜ッ‼」
少し離れた所から土方さんが叫び
意地悪そうな顔をしたのが見えた。