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京都のSHIKI物語

第6章 小さな芽生え




隼哉 side






あの日は
いつもと変わらん日やった。


朝 早くに起きて仕度して
用意して
皆の稽古 見て教え

ごく普通で
ごく当たり前やった。


せやけど
ある夕方頃からなんや
珍しく土方はんの叫び声が聞こえて

しかも吉原で
よく酔っ払いが喚いたりしますけど
あの土方はんが叫んでいるのは
何かあったんちゃうかと思った。


窓からたまたま“あの子”が走っているのを見つけて
身体が勝手に動いて

「あの子が追いかけられてるんや」

とっさに思ったわ




案の定


土方はんに追いかけられてて
あの鬼の副長と恐れられる土方はんに
追われるって
どんなんやろな?

恐怖しかあらへんわ



名前は“ はんやて
珍しくて可愛らしい名前やと思った。

せやけど
見たことのない服

最初は違う国の方やと思ったけど
日本語も話すし黒髪に白い肌に…


とりあえずはんを
連れて
どこか怪しい言うんか
何処に住んでいるのか聞いても

“とうきょう”

…聞いたことのない名前
不思議な子やわ


着物の着付けも分からない
お嬢はんで

部屋の片付け頼めば
酔っ払った男に襲われるしまつ


誰とでも仲良くなるのは
どうやら才能みたいやわ

3日であんだけ友人が出来て
仲良くなるんは凄い事やで












…ほんで
あの子( )に
お使いを頼む
わてがアホやったわ








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