第4章 貴方の手で
隼哉「そうどすか…?隣りの部屋おるさかい次はきちんと呼んでおくれやす」
「はい‼」
隼哉さんが出て行くのを確認してから
片付けていた手がピタリと止まり
まるで腰が抜けたように畳へ座り込み
震える手を握りしめる。
泣きたい…泣きたいけど
泣くより先に震えや寒気が止まらない
まだあの強く握られた腕の感触が残る
気持ち悪い…怖い
これも追いかけられた時とは違う
恐怖…なのかな…
「〜ッ」
言葉にならない悔しさ…恐怖…
唇を噛み締め
震える身体をさする
怖かった…怖かった…ただそれだけ
「ふぅ〜」
自分自身を落ち着かせるように
深呼吸
いつ治まるか分からない震え
?「震えてるクセに強がり言うて…」
私の背中から温かくなる
毛布かとおもったけれど…違う
「…しゅん…さい…さん…?」
「怖いなら怖いって言うたらええやろ」
振り向くと隼哉さんが私を抱きしめていた。
「いつの間に…何で…」
隼哉「アホやなぁ ホンマ」
後ろから私の震えている両手を握りしめてくれる
耳元で優しい声が聞こえる
何でさっきまで震えていた身体が
止まったのだろう?
不思議に思う
さっきまであんなに怖かったのに
隼哉さんの声を聞くと安心する
「び、びっくりしました…」
隼哉「ほっておかれへんわ そんな震えて…」
「……すみません」