第1章 これが江戸
何も悪いことをしていないのに
心臓の鼓動が早くなる。
今で言う
警察官に見られているような…
冷や汗が出る。
嫌な予感はやはり的中するもので
低い男らしい声が橋の下に響いた。
?「おい」
男の声にビクリと身体が反応し
心臓の鼓動が早く感じる
「………」
何も言わずゆっくりと
男の方に向き
持っていたリュックサックに力が入る。
?「見かけない奴だな」
眉をひそめ番犬の様に私を睨みつける目つき
それでも気になったのは
男が羽織っている青い布…どこかで見たことがある
あれは…確か社会で習った
ーその時だった。
?「土方さん どうしましたか?橋の方ばっかり見て」
爽やかそうな声が聞こえて
私を睨みつけている“ひじかた”さんらしい人に
近寄る爽やか少年…いや、あれは美少年だ。