第3章 出逢いと働き
隼哉「ここが厠」
「は、はい」
隼哉「こっちに行けばお風呂どす」
「はい」
どこに連れて行かれると思いきや
隼哉さんはテキパキと無駄なく教えてくれる
お屋敷の案内だったのね…
時計が見当たらないため
何時なのかは分からないけど
外が暗くなって来るのが分かった。
隼哉さんに教えてもらった場所を
覚えるのに必死になり
物覚え悪いし…方向音痴だし…
隼哉さんの後ろに着いて行くのがやっと
隼哉さん
意外に歩くのが早いと言うか
着物で歩くのに慣れてるって感じ…
たまにすれ違って行く綺麗な女性
目が合うとニコッと笑い軽く頭を下げてくれる
つられて私も頭を下げる
「綺麗な人だなぁ〜」
思わず見惚れてしまうほど
日本らしくお上品で華麗
独り言を呟く私
隼哉「こら」
ーパシッ
「ーッ⁈」
結構 音が鳴り
頭に衝撃が走る
後ろを素早く振り向くと
隼哉さんが少し怒った顔で立っていた。
「…あっ」
隼哉「“あっ”やない」
すっかり案内されている事を忘れていた←失礼な奴
えーと…つまり私は隼哉さんに
頭を叩かれたワケで…しかも、扇子で
「す、すいません」
頭を軽く2回程 下げて謝った。
隼哉「ハァ…次はこっちどす」
あの隼哉さんから溜め息をされ←出逢って1日目です
冷や汗がでながら
“しまった”と思いながら
また隼哉さんの後を追った。
怒らせてしまった…。←自業自得