• テキストサイズ

京都のSHIKI物語

第3章 出逢いと働き


つまり隼哉さんは

その着物を着替えたら俺を呼べ…と、




うん

それは分かる

分かるんですけど…今の時代
1人で浴衣や着物を着れる10代は
果たして何人いるのだろうか?

もちろん
着物を両手で持ち上げ睨めっこ状態の私は
1人じゃ出来ない組



「はぁ…やり方が分からない」


両手で持ち上げていた着物を下ろして
ため息をつく


なんか右か左に回してグルグル〜って
キュッって感じなのは分かるけど…



※もはや何を言っているのか分からない




「どうしよう…」


そんな事は分かっているです。
聞けばいいんです。
分からない事は聞けばいいんです。


隼哉さんも待ってるって言ってたし…うん



決意を決めた私は
ゆっくりと立ち上がり…





ースッ




顔を覗かせ廊下側を見ると

隼哉さんが立っていた。


私が何も言わずただ黙って隼哉さんを見ていると

隼哉さんは視線に気づき



隼哉「…はん 何してはるんどすか?心臓に悪いわ」



つまり隼哉さんは少し驚いたようです←通訳者?



「あの…」


勇気を振り絞る私


隼哉「なんや?どないしはったん?」



真剣さが伝わったのか
私の横に立っていた隼哉さんは私の目の前に立ち直し

私を真っ直ぐに見つめてくれる




そっちの方がとても言いにくい…





「えーと…大変 言いにくいのですが…」


隼哉「気分悪いんか?」


「いえ…実はですね…この着物の着付けが…分からなくて…ですね…」



着物を隼哉さんに見せるようにして話していると

隼哉さんをチラッと見ると

目を開けたまま固まっていた。



「えーと…だから…その、着付けを…教えていただければ…大変 有難い…なんて事を…思ってたり…して…ですね…」



今更ながら
やっぱり言わなきゃ良かったと思う


ようやく口を開いたと思った隼哉さん




隼哉「はん あんた…一体どこのお姫様やの?」



「え?」



隼哉「ちょっと待っとき 梅はん呼んでくるさかい」




「本当 すみません」





隼哉さんは少し早歩きで階段を下りて行き

私の声は廊下に響いたのだった。





/ 45ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp