第7章 ももとパインと熱い男
「三人とも顔色悪そうだったから、ついてきちゃったんだけど……あ”ッ!私、あの、ジョーカーの下で働いてる捜査官で、あれ!?手帳、手帳…えっと〜…!ダイアナっていうの。思い切り手帳探していた事、ジョーカーには秘密にして置いてね!」
「ダイアナさんっ…!」
慌てて手帳を探し出した彼女に、ランクは嬉しそうに笑う。どうやら彼女とは面識があるようだ。
「よし、ダイアナさんが来たから私はクエストを迎えに行くね。」
「あっ、えっランク…!」
「あ、まって!ジュース買って来たから持って行って!はい!二人にも!」
立ち上がったランクにジュースを渡し、座っていた二人にもパインと桃のジュースを渡したダイアナは空いたその場所へと座る。それを見届けたランクはクエストを探すべく走って行った。
「タフだな、ランクちゃんは…」
「私も行けばよかったヨ…」
「ふふふ。さ、喉乾いたでしょ、飲んで。貴方たちを見てると私も、初めての事件の事思い出しちゃったわ。」
そういってゴソゴソと鞄からダイアナが出した書類はジュースによってしっとりとぬれていて苦笑いがかくせなかった。その書類をひらひらと乾かしながらダイアナは話す。
「犯人はナイフを持ってたんだけど私は怖くて習った技をうまくだせなかったの。そのあと、ジョーカーがかばってくれてね。……怖いのって結局みんな同じなのね。でも怖がっていたら犯人も被害者も自分も、全て救えなくなる。だからひた隠しにしてる。それを上回る10倍の勇気と犯人を理解しようとする100倍の執念で。
…危険を顧みず教えを破ったのはいけないことよ?でも犯人を理解しなくちゃ、さけられる危険もさけられないものね。私は知らずのうちに犯人を化け物かなにかだって思っちゃうから。」
そういってダイアナはテープとガーゼを出し、取れかかっていたひふみの鼻の湿布を取ってそれを貼り付けた。
「その傷クエスト君を守ろうとして出来たんですってね。きっといい捜査班になるわ、あなたたち!」
「「ダイアナさん…」」
ひふみはダイアナの言うことに感心しつつも重大な事に気がついた。眼鏡をいつの間にかなくしていたのだ。そんな中、取り調べ室の外ではクラブとジョーカーが話していた。