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【QUEEN】潔癖症と犠牲心

第6章 JOKER


テンが一人焦る中、三人は必死に自分の主張を言い合う。その中ひふみは、違うと声を張り上げ窓を指差す。

「逆だ…。俺たちがここで居なくなったら、お前ひとりでこの高さの窓、どうやって覗いたって言うつもりなんだ…?」
「……脚立を使ったんだよ。」
「どこから持って来てどこへ置いたんだ。」
「事務室だ。」
「すぐに確認が取れるぞ。」
「事務員となら仲がいいから話を合わせるように頼めいい」
「脚立を持って歩いた目撃証言が取れないだろ。」
「…。近くの部屋の二段ベッドの梯子を拝借した。これでいいだろ。」
「ほーそうか。あれは……取り外しが出来ないぞ。」

ランクとテンが息を飲むなか、クエストはひふみの言葉にぐっと押し黙る。そのあと諦めたように溜息をついた。

「…、まあ僕についてきた時点でそういう覚悟は出来ているか…。…こうなりゃなるようになれだ。」
「ひふみやるネ!」
「すごい…!クエストもありがとう!」

ひふみは放っておいたら誰を敵にするかわからない、とクエストの様子に安堵の溜息をついた。しばらく考えた様子だったクエストはゆっくりと口を開く。

「…いや、僕も素直に言っておく。…ありがとう僕とチームを組んでくれて。」

その言葉を聞いた二人は驚き、一人はどういたしまして!と目を細めて笑う。そしてクエスト以外の三人で顔を合わせて笑い合った。
その時だった突然だれかの拍手が鳴り響いたのだ。四人がそちらに勢いよく振り向くと、三つ編みにスーツの女性が立っていた。その人を見た瞬間、ランクはゆっくりクエストの後ろに隠れる。

「貴方達、きちんと助け合ってとても仲がいいのね。私もアカデミー出身だけど……ベッドの梯子が外れるのはみんな知ってるから、かなりギャンブルなハッタリだったわよ?クエストの油断が勝因ね。でも中々面白かったわ。」
「ハッタリ…だと…?」

クエストが怒りに満ちた顔で後ろを見ると、ひふみは顔をそらす。そんなクエストに女性は嬉々として話しかける。


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