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【QUEEN】潔癖症と犠牲心

第6章 JOKER


「ふええええん!!クエストごめんヨーーー!助ける言ったのに全然反応できなかったネー!」

テンの盛大な泣き声が廊下に響き渡る。どうやら彼女は自分がクエストを助けられなかった事にショックをうけているようだった。ひふみによって起こされたランクはテンの背中をぽんぽんと撫でる。

「だ、大丈夫よテンちゃん。私がクッションになったし…」
「私が助けないと意味ないネ!私生きてる価値ないヨーー!!!」
「そこまで自責しなくていいだろ!!」

テンの様子にクエストとランクは顔を見合わせ眉を下げた。その中、ひふみがゆっくりと口を開く。

「で……「見られた」って…、誰に見られたんだ?」
「……本部の捜査官だ…。君たちはここから離れろ。そうすれば、もし鉢合わせても疑われるのは、疑われる可能性の高い僕だけで済む。」

クエストが告げたその言葉を聞いて、三人に衝撃が走る。クエストが言っていることは皆を逃がして自分だけが尋問されるというものだったからだ。

「そ、それって逆にお前だけが犠牲になるってことだよな?!」
「どゆことね!!そんなこと私が絶対に許さないヨ、クエスト!!」
「クエスト…!クエストがいるって事は私もいるってすぐ分かるとおもうわ?!」
「ったく…いちいち大げさだな…いずれみんな尋問はされるんだぞ?」
「いや、されるなら今された方がいい。俺たちはもうチームじゃないか!」
「そうよ、クエストを一人だけ放って行けないわ!!」
「その通りだ、だから助け合わなくちゃ…」
「馬鹿いってんなよ。出来立ての即席チームだろ。余計なこと言って余計に疑われるだけだ。ここで下手に疑われる人数を増やすより、少しでも今後動きやすいようにお前らは逃げるべきだ!!」
「(なんかやばい雰囲気ネ…)仲間割れはよくないヨー?!」

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