第3章 俺の正義は脆くて果敢ない
「これより本部による捜査が開始されますが、捜査官、教官、訓練生に関わらず一切捜査に関わろうと考えないで下さい。今から私たちは…
全員容疑者です。」
そう言い放ち、一呼吸置いた解散の声に皆一斉に立ち上がる。話はこれで終わりのようだ。バタバタと教官や捜査官が去って行った後、訓練生が動きだす。
「…びっくりした、ひふみくん急に叫ぶんだもん。」
「あいつもお前も感情を表に出しすぎだ。」
「は、はーい善処します…あ、チームは組んでくれるよね?」
「他に友達がいないのかお前」
「もー、わかってる癖に!素直じゃないんだから…」
2人も皆の様に部屋に戻ろうと立ち上がり、歩き出す。しかし部屋に戻る事は叶わなかった。再び大男、ロイにクエストが襟首を掴まれたのだ。
「それはできねえな」
「ロイッ…!クエストを離せ…!」
「…エキストラジョーカー。Mr.クイーンとは組ませない。お前は名前通りエキストラになってて貰う。」
クエストを助けようと攻撃の体制に入ったランクだったが、突然後ろから羽交い締めにされ身動きが取れないようにグッと力を込められる。クエストとランクは驚いたように目を見開き、ロイをぎっと睨む。
「…!…どういうつもりだ。」
「テメェは俺のチームに入れる。今回の事件の証拠をつかんで…絶対吊るし上げてやる!」
「何度言おうと僕はアンタのチームになんか入らないぞ。っつぅか…汚い手で触らないでくれない?」
「んだとッ…」