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道化師恐怖症。

第4章 夕日って青色だったっけ




きっと西崎さんには
この嫉妬と妬みが絡んだ視線が
快感なハズ

たまらない優越感に
浸っているところだろう

目が、狂ってる


「なんじゃブンちゃん。
エリナ来たんか」

「あ、雅治くん!
頑張ってね!」

「エリナに言われたら
頑張るしかないのぉ」


デレデレとみっともない顔をする
B組テニス部男子

女の子達の悔し紛れの歯ぎしりが
聞こえてくるよ


「そこの二人!!
練習に身を入れんか!!」


たるんどるぞ!と怒鳴るのは
副部長の真田くん

安定の厳しさだ

彼の厳しさもテニス部の強さに
きっと繋がっているんであろう

何度か手を挙げられたと
丸井くんが嘆いてた気がする


「うぉ!分かったって!
エリナ、ゆっくり見てけよ」

「俺たちのかっこいい所
目に焼き付けとくナリ」

「うん!分かってるよぉ!」


見せつけるねぇまったく

鋭い視線が突き刺さるように
西崎さんに集まってる


一番、鬼の様な形相で睨んでるのは
テニスコートの中にいる金坂さん

人ってあんな顔できるんだ 醜すぎ


…あ、忘れてた

携帯を開くと思ったより
時間が経っている

もっと見ていたいけど
明日の楽しみにとっておこう

私は走ってテニスコートを離れた

面白さに浮かんでしまう笑みを
隠すように、スピードを出して



さて、買い物とは
スーパーでの特売品

今日はトイレットペーパーが
安いと広告に書いてあった

まだ売ってるかな…
店内をウロチョロとする


あ、あったあった
まだ数残っている

自分の一番近くにあるものを
取ろうとすると、それが目の前から
スッと消えた


「あ、」

「あ、すんません!」


他にもあるんだから良いんだけど

わざわざ謝ってくれた人の
顔を見上げる

何処かで見たことある…


あ、この人
テニス部の2年の切原くんだ

癖が強い黒髪が彼の証


「いえいえ。
まだ他にもあるし」

「…あ、えっと…」

「?
どうかしました?」


切原くんは私を見るなり
あうあうと言葉を詰まらせている

私、切原くんに何かしたか?
いや、してない 断言できる


「いえ!あの…、
さ、さよなら!」

「え、さよなら」


切原くんはトイレットペーパーを
持って走って行ってしまった

何だったんだ?



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