第6章 新たな人生
全てを語り終えホゼアは警察に連行された。
翔はグレコに近づく。
翔:「もしかして彼があの戦争で亡くなった息子さん?」
何の事だ?と百合根やウィル王子達が翔を見る。
そしてグレコの目が大きく見開く。
グレコ:「何故それを?」
翔:「ああ、やっぱりそうなんだ。さっきね、ゼンさんに頼んで貴方の画集を全部見させて貰ったんだよ。その中に1枚だけ雰囲気が違う絵があって気になったの。」
グレコ:「ノーブルの乱・・」
翔:「あの絵の中に描かれた炎の中に逆さまに描かれた男の人がホゼアさんに似てる。」
グレコ:「ああ、私は元々ノーブルの街の住人で父はノーブル城に仕える専属絵師だった。父に憧れて画家を目指した矢先に内乱が勃発した。父は殺され当時怯えていた私を燃え上がる炎と敵人から守ってくれたのがホゼアの父親だった。彼に息子が居たと知ったのは内乱が治った数年後の事だ。あのノーブル城の乱を丁度発表した時だ。ホゼアが私の前に現れたのは・・。ホゼアを見て驚いたよ。まるで幻を見ているんじゃないかってね・・。涙が止まらなかった。私は命を守ってくれた彼の恩返しがしたいと思い彼を雇うことにした。」
翔:「今、ノーブル城の街に住んでるって聞いたけど・・」
グレコ:「ああ、産まれ育った街だからね。やはりノーブルの街が落ち着く・・。良ければ本物の絵を見に来るかい?」
翔:「良いの?」
グレコ:「勿論だ。」
いつの間にかグレコと翔は仲良くなっていた。
グレコは帰りその後ろ姿は寂しそうに見えた。ホゼアが逮捕されてしまったからだろう。
そしてエドワード王子とウィル王子はこのままノーブル城に1泊する事になった。
そのディナーに百合根と翔は呼ばれたのだが2人は丁重に断ると
ウィル:「もしかして部屋が問題なの?」
翔の変わりに百合根が答える
百合根:「はい。どうも落ち着かないのでいつも部屋食で済ませてるんです。僕もその方が楽なのでそうさせて頂いているんですけど・・」
翔:「キャップ僕もう部屋に帰るね。」
ゼン:「夕食はお部屋にご用意致しますか?」
翔:「今日はもう良いや。頭痛くなって来ちゃったから寝る。」
ゼン:「ではお風呂のご用意を致しましょうか?」
翔:「うん」