第6章 新たな人生
ウィル王子が淡々と事件内容を説明していくにつれホゼアの顔色が悪くなっていく。
ウィル王子もそれに気づいているようだ。
グレコ:「バラバラ殺人の犯人は暴行犯と同じで逮捕されたのなら事件は解決したのでは?」
エド:「それがそうでもないのですよ」
グレコ:「?」
グレコとは全く異なる反応を示すホゼア。
ウィル王子はホゼアをじっと見つめている。
百合根:「確かにバラバラ殺人の被害者の2人は若い不良グループの仕業でした。しかし遺体を処分する為に土に埋めたあと態々掘り起こし切断し、人の目に態々触れる様な場所に捨てているんです。我々は殺人犯とは別に死体遺棄をした別の犯人がいるのではという可能性を調べているんです。」
グレコ:「成る程・・そうか。被害者の1人はホゼアの息子のジャックの恋人でもあった・・」
エド:「ええ、それで少しお話しをお聞きしたいと思いまして・・気分を悪くさせたら申し訳ない」
グレコ:「いやいや私もあの事件は酷いと思っている。犯人が逮捕されてホッとしているし綺麗に解決して欲しいと思う。我々で協力出来る事は何でもしますよ。なあ、ホゼア」
ホゼア:「あ、ああ・・」
グレコ:「どうした?浮かない顔して」
するとホゼアは急に立ち上がり床に膝を付くと勢いよく頭を下げた。
ホゼア:「すまない!グレコ!」
グレコ:「どっどうしたというんだ!?」
ホゼアはポツポツと語りだした。
息子のジャックが彼女と喧嘩して別れた直後の事、悲劇が起きた。
ジャックの彼女が若い不良連中に強姦され殴り殺された。
そうとも知らずにジャックは後味悪い別れをしてしまった事に後悔し元来た道を戻り彼女を探した。すると彼女に数人の男が群がり彼女を暴行している所を目撃してしまい身動きが取れなかった。
すると1人の不良が気づきジャックを捕まえ腕時計を奪った。
彼等はジャックが口外しない様に腕時計を奪い、最悪ジャックの罪にすれば良いと考えたらしい。
ホゼアは息子が警察に疑われる心配を恐れ苦肉の策を取り暴行犯に会い交渉する。犯人像を誤魔化す為に遺体をバラバラにして捨てた。