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王子様のプロポーズ 〜ST 編〜

第6章 新たな人生




議会室に戻ると部屋の外に声が漏れる。


ゼン:「青山様?」


翔:「シッ!」



ジョシュア:「確かノーブル様は前の城主12世が亡くなられ再び城主として君臨されている。ゼンを使い色々とあの事件を調べていてもおかしくはあるまい」


エド:「確かにそうですね。」


百合根:「あの・・青山はどうなってしまうんでしょう?このままノーブル城の城主にでもなってしまうんでしょうか?」


エド:「それは・・」


翔:「キャップ」


百合根:「!」


全員:「!」


翔:「エル・グレコが来たって」


百合根:「あ、はい!」


つい話に夢中で翔とゼンが戻って来ていた事に気付かなかった。


しかも翔は翠と比べれば聴覚は劣るが十分過ぎる程に耳が良い。


興味無さげな態度でも話の内容を何処からか聞いていたに違いない。


百合根:「あのっ」


翔:「何?」


百合根:「さっき話してた事なんですけど・・もしかして・・」


王子と執事達全員が注目する。



翔:「聞いてたよ。途中からだけど、ねえ?」


翔は態とゼンに振る。


ゼン:「申し訳ありません。盗み聞きする様な不逞はするつもり無かったのですが聞こえてしまいまして・・」


申し訳無さそうに頭を下げる。


百合根:「いえ、こっちこそすみません。青山とグレン王子が幼馴染だったという話に驚いて・・しかも名指しで僕と青山が此処に呼ばれた事とか色々気になってしまいまして・・」


ゼン:「確かに手紙を書いたのは私です。ですが全てノーブル様の指示の元でございます。」


百合根:「そうですか・・」


翔:「ねえ、キャップ早く行こうよ」


翔はこの話題に興味が無いのかそれともエル・グレコに会いたいのか、百合根の袖をクイクイ引っ張る。


まるで子供の様だ。


百合根はそのまま引っ張られたまま議会室を出て行くとこれまで居た王子達が席を立つ。


ジョシュア:「俺はこれで失礼する」


キース:「俺も」


グレン:「私も戻って色々調べたい事があるんで・・」


するとヒョコッと翔が議会室の扉から顔をだしグレンを見る。


翔:「もう帰るの?」


グレン:「ああ」


翔:「じゃあ、お祖母様によろしく言っといてよ」


グレン:「ああ、伝えておく」


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