第6章 新たな人生
保護された屋敷はグレンの祖母の所有する別荘だった。
前国王であるグレンの祖父と話し合った末、暫く祖母がユリを引き取りそのまま日本へ移住生活を送る事になった。
この時、翔は息を引き取り悟は行くへ不明のまま捜索はされていなかった。
祖母は懸命にユリの教育をするがユリの幼少に受けた傷みの後遺症は深く残ったままだった。
3人が生活をした建物はオリエンスが買収し捜索が進められた。
そこに翔が毎日書いていた日記が床下から発見され祖父の手元にあった。
そこには生々しく翔が見てきた物が詳しく書かれていた為、ユリの行くへを気に掛けているグレンとユウには何も知らせれないまま時が流れた。
ユリは女性として自分の人生を送るよりも自分を庇って暴行を受け続けた翔を思い、自分が翔になり生きる事を選んだ。
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グレン王子の話しに皆が静まり返る。
ユウ:「お祖母様が保護して下さっていたとは・・」
グレン:「俺も後々気づいた」
百合根:「じゃあ、翔さんの男性恐怖症は幼少の頃に受けた傷が大きく残ったという事でしょうか・・?」
グレン:「さあ?少なからずとも影響は受けてると思うけど・・。翔の死が1番応えたんじゃないか?」
ジョシュア:「しかし本当にアイツが駒欄(クラン)家の娘なのか?」
ウィル:「可能性はあるんだろ?」
グレン:「ああ、帰って確かめてみるつもりだが・・」
ウィル:「だが?」
グレン:「ノーブル様はこの事を知っていて日本から呼んだんじゃないか?」
エド:「そう言われると気になりますね」
キース:「確かに怪しいな。普通、ただの日本の刑事をノーブル城に呼んだりしねえ。なんかおかしいと思ってたんだよ」
ロベルト:「その辺どうなの?ノーブル様から直々に手紙来たんでしょ?」
百合根:「はい。確かに名指しで僕と青山の名前がかかれてました。けど、手紙はゼンさんが書いた物だった気が・・」
ウィル:「ゼンが?」