第5章 ティータイム
毎日グレンとユウが遊ぶお花畑にこっそり影から監視する人影があった。
ユウ:「ユリちゃんそのネックレスどうしたの?」
ユウがいつもぶら下げているユリのネックレスに目を止め尋ねる。
ユリ:「これ?うーん・・わかんない・・」
物心付いた時から首にぶら下げていたらしいユリのネックレスをユウがじーっと見つめていると
ユリ:「ユウ兄ちゃん欲しいの?」
純粋な眼差しでユリは自分からネックレスを外しユウに渡す。
ユウ:「あっそういう訳じゃないんだけど・・」
ユウはユリからネックレスを受け取り見ると紅いルビーの宝石にはめ込まれている装飾の裏にノーブル城の紋章とオリエンスの紋章の柄があった。
ユウ:「これは・・!」
グレン:「どうした?ユウ」
グレンも一緒に覗き込む。
そしてユウはこれは大事な物だから大切にした方が良いとユリの首に戻した。
ユリはヤクザの連中に取り引きする為に拘束させられているのかもしれないとユウは思った。
そしてユウがグレンの執事として城に引っ越しお花畑に行けなくなる日が来た。
何も知らないユリ達はいつも通りお花畑へ行こうとした時、見張りの手下に捕まり暴行を受けていた。
その数時間後、オリエンスの兵士達が建物を包囲しゾロゾロと流れ込んで来た。
ヤクザと思い込んでいた連中はテロ組織の一部だった事が分かった。
しかし、彼らを取り仕切っている黒幕は未だに分からず、オリエンスの兵の突然の攻撃に町中から世界中にニュースで知れ渡った。
身体中傷だらけで倒れたユリは目の前に血塗れで倒れている翔に駆け寄る。
ユリ:「翔ちゃん・・!」
ユリは泣きながら翔の体を揺さぶる。
ユリは目の前で殴り殺された同い年ぐらいの子達を何度も見て聞きていた。
唯一、翔はユリに言葉や遊び色々な事を教えてくれた兄であり甘えられる存在だった。
ユリ:「翔ちゃん・・!」
ユリは何度も懸命に声を掛けるが翔は目を覚まさない。
そこへオリエンスの兵士が来た。
兵士:「この子か?」
兵士2:「君名前は?」
ユリは泣きながら兵士を見る
ユリ:「・・・ユリ」
すると兵士2人は顔を見合わせ頷くとユリと翔を抱えある屋敷に保護された。