第5章 ティータイム
ジョシュア:「何の話だ?」
ロベルト:「ねえ、グレたん。俺たちにも分かる様に詳しく教えてくんない?」
グレン:「ハア・・まあ、仕方ないですね・・あまり昔の事はほじくり出したくないんですけど・・聞いて良い様な話しじゃないんですがね」
エル:「構いませんよ。彼女とどんな過去があったのか・・お話ししていただけませんか?」
ウィル:「僕も気になる。」
グレン王子は語りだす。
今から20数年前の出来事、ノーブル城で内乱が起きていた時だった。
ノーブル12世は妻と産まれたばかりの赤児を逃す為に船に乗せ自ら城に残り最後まで戦った。
世界中が釘付けになったニュースで日本でも大きく取り上げられていた。
当時、百合根は6歳だがそのニュースは度々日本のバラエティなどで流れるので知っていた。
ノーブル12世の本名はクラウン・ミハイル。その妻 駒欄 樹里(クラン ジュリ)。
樹里はオリエンスの出身の為、内乱が勃発したノーブル城からオリエンス城に避難する為に赤児を抱え逃げた。
何人ものオリエンスとノーブル城の兵士に囲まれ厳重な体制を取って逃げたつもりだったが、反乱軍が追って船は沈没。
樹里と赤児は海に投げ出され必死に救命ボートにしがみついたが荒波呑まれ赤児と引き離されてしまった。
なんとか命からがらに助けられたものの樹里はオリエンス城のベッドで永遠の眠りについた。
それから6年後、オリエンス城の敷地のお花畑に子供3人が遊んでいる姿がった。
1人は男の子、2人は女の子。
青山 翔と青山 悟、そして駒欄 ユリ。
グレンとユウが初めて出会った瞬間だった。
翔はグレンとユウを見て不味いと思ったのかユリと悟を連れて逃げようとしたが、ユリはそんな事気にせずに真っ直ぐに彼ら2人の元へ走り笑顔で一緒に遊ぼうと話し掛けた。
それがきっかけとなりグレンとユウ2人も交えてよく5人で遊ぶ様になった。
そんなある日の事だった初めて会った時からグレンもユウもずっと気になる事があった。
ユリがニコニコしながら花を摘みグレンに渡す。花冠を作って貰う為だ。
ユリ:「はい!♪」
当時のユリは言葉が未発達で喋りが上手くない。
グレン:「なあ」
ユリ:「?」
グレン:「お前何でいつも痣だらけなんだ?」