第5章 ティータイム
ロベルト王子が興味深々に聞くも翔とグレン王子の間に気不味い空気が流れる。
グレン:「そうか・・」
グレンの表情から後悔と悔しさが滲み出ている。
そして側で控えているユウも会話から刹那い眼差しで2人のやり取りを聞いていた。
ロベルト:「グレたん・・?」
翔:「・・・・」
しばらくして電話に出ていたクロードが戻りエル・グレコが直ぐにノーブル城に来る事を知らせて来た。
そして暴行犯のグループを全員ジョシュア王子とキース王子が競う様に捕まえ逮捕に成功。
これに二人の王子は上機嫌でノーブル城に戻って来た。
キース:「翔!お前の推理通りだ!暴行犯は全員捕まえたぞ!」
翔:「それは良かった」
百合根:「お二人共怪我は大丈夫でしたか?」
心配そうに尋ねると
キース:「フン!あんなチンピラ共相手に俺らが殺られる訳ねー」
ジョシュア:「全くだ。しかし近頃の若者は躾がなってないな・・」
2人の王子の帰宅によって空気明るくなるが・・
キース:「おい、それより何かあったのか?」
百合根:「え?」
キース:「まるでお通やみたいに静かじゃねーか」
グレン:「何でもありませんよ。ただみんな退屈してただけです」
ジョシュア:「俺らに隠し事か?」
グレン:「何言って・・」
翔:「エル・グレコを待ってるんだよ」
ジョシュア:「何?エル・グレコだと?」
翔:「うん」
百合根:「バラバラ殺人の被害者の元交際相手の父親がエル・グレコのお手伝いさんらしいんです。それでこれから聴き込みをしようとしてるんですけど・・」
キース:「そいつが犯人の可能性が高いのか?」
百合根は答えられず翔に目線を送る
翔:「殺人容疑では無いけど死体遺棄の可能性は高いと思うよ」
キース:「死体遺棄?」
翔:「まあ、そのうちはっきりするよ」
翔は全てにやる気を無くしたかの様に席を立った。
百合根:「何処行くんです?」
翔:「自分の部屋。エル・グレコが来たら教えて」
翔はゼンを連れて会議室を出て行った。
それを見届けるとウィル王子がグレン王子に尋ねる。
ウィル:「さっきの話し。もしかして彼女、10数年前の事件の生き残り?」
グレン:「・・・ええ」