第5章 ティータイム
ロベルト:「へえ〜ウィルりんとこもエル・グレコに絵を描いてもらうんだ?」
ウィル:「ウィルりんはやめろ。国王様がフィリップ城を背景にした絵を描いてもらいたいらしい」
エド:「それは素晴らしい。実はうちも去年にシャルル城の庭園の絵を描いて貰いましたが彼の絵は本当に素晴らしいものでしたよ」
ゼン:「青山様、百合根様ももし宜しければ画集をご覧になりますか?」
百合根:「ええ、是非」
翔:「僕はどっちでも良いかな・・」
翔は微妙な反応するとエドの悲しげな表情をする
エド:「あまり芸術に興味はおありではないようですね・・」
翔:「興味が無い訳じゃないよ。心理学者として絵は人の心理を読む材料に持ってこいだしね。ただ、今回の捜査にエル・グレコの絵は関係無いからどっちでも良いって思っただけ」
ロベルト:「うーん・・ユリちゃんは淡々としてるな〜・・」
グレン:「さっきからユリちゃんユリちゃんって・・あんたの本名か?」
翔:「・・・・」
グレンの質問に気不味さの空気が流れる。
百合根:「ええ、彼女の本名は・・」
翔:「グレンくんって鈍いよね・・」
百合根:「えっ?」
グレン:「?」
百合根に被せる様に翔がボソッと言う。
それに全員が注目すると隅で控えているグレンの執事ユウが気が付いた様に応える。
ユウ:「あっ・・君はもしかしてあのお花畑に来てたユリちゃん?」
ロベルト:「えっ知り合い?」
翔は気まずそうにうんと応える。
翔:「グレンくんが王室の子だったなんて知らなかったよ。あっ、グレンくんって言っちゃ失礼か、グレン王子って言わなきゃね」
グレン:「お前、駒欄 ユリか?」
翔:「そうだよ。グレン王子のお陰らしいね。僕だけあの地獄から生き延びれたよ」
百合根:「(あの地獄?)」
グレン:「まさか・・翔と悟は・・?」
翔:「お祖母様から聞いてない?本物の翔ちゃんは死んだよ。悟は分かんないけど・・」
ロベルト:「何々!?どういう事?2人はいつからの知り合いなの?」
ウィル:「・・・・」