第4章 捜査開始
翔:「一見、別々の事件に見えるこの2つに共通している部分が多くある。どちらも女性をターゲットにして性的暴行による殺人。淫楽型。」
ウィル:「淫楽型?」
翔:「連続殺人には幻覚型、確信型、享楽型、淫楽型、スリル型、権力・支配型の6つのパーターンがある。淫楽型は性行為にこだわるタイプでサディズム的行為を好む。拷問や倒錯した行為が多い」
百合根:「因みに、淫楽型は無秩序型と秩序型に分かれます。秩序型というのは計画的で、犯行現場がきちんと片付いてる事が多く、被害者を拘束し、服従させる傾向があります。そして死体を殺害現場から移動させることが多く、凶器は持ち帰るか隠蔽する。一方、無秩序型は行きずりの殺害が多く、犯行は無計画的。現場は乱雑で、しばしば屍姦をする。被害者を拘束せず、凶器を現場に残すことが多い・・ですね?」
ウィル:「なるほど」
翔:「さすがキャップ良く覚えてるね」
百合根:「ええ、この事件でリリー・タンの事件を思い出します」
翔:「そう、でも今回のははっきりした無秩序型の集団。結構危険かもしれないよ?」
グレン:「それでその無秩序型の集団とバラバラ殺人はどう結び付くんだ?」
キース:「俺には同じ無秩序型の犯行に見える」
翔は嬉しそうな顔でキースを見る
翔:「そう見えるね。でも僕はこのバラバラの遺体は別の人物像が見えて来るんだよね・・」
エド:「それは別の誰かが意図的に遺体をバラバラにした・・?という事でしょうか?」
翔:「見つかった体には土が付着していたという事は殺された遺体を何処かに一度埋めて掘り出してる事になる。しかも遺体を態々、バラバラにして予告文まで書いてる。僕の予想だけどね・・殺した犯人は別でいて、誰かを庇う為に態々埋めた遺体を掘り起こし犯人像を目くらましさせようとしてる様に見える・・」
グレン:「ふーん・・なる程ね・・あんたのプロファイルが正しいか分かんないけど説得力はあるな」
ジョシュア:「では俺は早速暴行犯を捕まえる為に刑事達を連れて行く。」
百合根:「どちらの方へ?」
ジョシュア:「教会の裏に行こう」
キース:「なら俺は劇場の裏だな。こいつら捕まえればバラバラ殺人の件も片付くんだろ?」
翔:「恐らくね」