第3章 ウィル王子編
ダンスをしながら会話をしていると自然と身体の震えが治まっている事に気付く。
翔:「あれ・・?」
ウィル:「どうかした?」
翔:「あ、いや・・何でもない・・」
ウィル:「そう・・」
ダンスを終え翔は見様見真似でお辞儀をしてウィル王子と別れた。
直ぐさま百合根が翔に駆け付ける。
百合根:「翔さん!凄いじゃないですか!もう平気なんですね!」
翔:「そういう訳じゃないと思うけど・・あの人は・・何でだろ?・・平気だったみたい・・悪い人じゃないからかな・・?」
百合根:「そりゃそうですよ!相手は一国の王子なんですから!」
この会話のほとんどウィル王子本人に聴こえている事に百合根は気付いていない。
ウィル:「・・・・」
翔:「・・・・・」
ウィル:「クス・・」
ウィルは翔に微笑みを返し執事のクロードと会場を出て行った。
翔:「キャップ・・」
百合根:「?」
翔:「僕疲れちゃった・・」
百合根:「部屋に帰ります?」
翔:「うん」
百合根:「付いて行きましょうか?」
翔:「平気・・」
翔は慣れないドレスを引き摺り会場を出て行った。