第3章 ウィル王子編
背後から1人の男性が話し掛けて来た。
振り向くとそこに立って居たのはフィリップ王国のウィル王子だった。
ウィル:「僕と踊って頂けますか?」
優雅に誘う言葉に硬直する翔
男性恐怖症もあり震えているとウィル王子が切な気な表情で見つめる。
ウィル:「やっぱり迷惑だった?」
百合根:「(あっ!翔さんがヤバイ!)」
少し離れた場所に女性に囲まれた百合根が翔とウィル王子の様子を見る。
助けなきゃと思いながらも中々女性を振り払えず悪戦苦闘する。
翔:「いや・・僕踊れないよ?」
ウィル:「大丈夫。僕がリードするから」
柔らかい笑みを浮かべながら手を差し伸べて来た。
翔:「・・・・///」
ウィル:「さ、お手をどうぞ。お姫様。」
翔は震える身体を抑えながら何とかウィル王子の手に自分の手を重ねる。
ウィル王子は内心ホッとした様な表情から冷静に翔をダンス広場までエスコートする。
百合根:「(翔さん・・)」
それを見ていた百合根は翔が男性の手に触れ共に歩く姿に瞠目していた。