第16章 ストバスとお菓子
穂波side
明日は久しぶりのデートの日。バスケ部の練習がお休みなのだ。着ていく服に靴、鞄に小物に至るまで何度も迷って完璧なコーディネートを完成させた。どうせなら一番かわいい私で登場したいしね。よし、準備万端!
と、そこへテツヤ君から電話がかかってきた。明日のことかな?
穂波「もしもし?どうしたのテツヤ君」
黒子「穂波さん明日のことなんですけど急で申し訳ないんですがストバスの大会に行きませんか?」
穂波「ストバスの大会?そんなのやってるんだね」
テツヤ君てば本当にバスケ大好きなんだなぁ…。練習休みの日までバスケ見に行くなんて。
黒子「はい。実は今バスケ部の1年で出場しようという話になったんです」
え⁈出る方⁈見る方じゃなくて⁈
穂波「え…じゃあ明日のデートは中止?」
いけない、今私ものすごく沈んだ声してる。テツヤ君が行きたいなら行かせてあげなきゃ。
黒子「違います。穂波さんにも一緒に参加してほしいんです」
穂波「私バスケできないよ⁈」
ちょっ、待ってよ私も参加ってどういうこと⁈無理だってば‼︎
黒子「穂波さんにはマネージャーとして参加してほしいんです。君の応援があれば僕達の優勝は間違いありませんから」
ストバスでマネージャーって何⁈なんかすごいムリヤリ感溢れてるんですけど⁈多分テツヤ君は大会に出たいんだろう。でも私との約束を破れなくて誘ってくれている。ここは彼氏の顔立てなきゃ彼女じゃないよね。
穂波「うん…いいよ。二人きりじゃないのは残念だけど、テツヤ君のカッコいいところたくさん見れるなら参加させてもらうね」
黒子「ありがとうございます。この埋め合わせは必ずしますから」
気にしなくていいのに。相変わらずテツヤ君は優しすぎる。
穂波「それは気にしないで。その代わり必ず優勝すること!」
いつも通りの声出せてるよね、私。こうなったら本気で優勝してもらわなきゃ。
黒子「もちろんです。僕達には勝利の女神がついててくれるんですから」
穂波「テツヤ君大袈裟すぎ」
集合場所と時間を決めて電話を切る。冷蔵庫をチェックしてお弁当のおかずを決めた。明日は早起きだから遅くならない内に寝なきゃ。