第25章 準々決勝開始
火神君のダンクが、またしても紫花君に止められる。コートの外へ転がっていったボールを火神君が追いかけると、コート傍にいた青いジャージの選手がボールを拾いあげた。あのジャージは確か海常の人達だ。何か話してる?
と、ここで小金井先輩がタイムアウトをとった。あれ?リコ先輩と木吉先輩がいない。まさか木吉先輩の膝……⁉︎心配だけが募る中、あっという間にタイムアウトは終わり試合が再開される。陽泉ボールになった時、誠凛のディフェンス陣形に変化があった。ヒモトさんに日向先輩、伊月先輩、テツヤ君のトリプルチームがついたのだ。しかし陽泉は手薄になった中を中心に攻めてくる。2mが3人もいるなんてズルいよ。誠凛は誰一人諦めてないけれど、紫河君にスティールされてカウンターを受けてしまった。止められない。そう思った時、火神君がブロックに跳び両手でボールを弾き飛ばす。
青峰「はっ…やりゃあできんじゃねーか」
青池君が呟くのが聞こえた。まさか、火神君……まさか⁉︎
青峰「黄瀬と何か喋ってたみてえだが……おかげでなんかふっ切れたみてーだな」
黄瀬って海常のイラっとくるイケメンのことだよね?やっぱり何か話してたんだあの時。
桃井「ゾーンに入ることを諦めてプレイに集中したことで結果的に雑念が消えて逆に入れてしまったってこと?」
青峰「そう簡単なもんでもねーけどな。ゾーンに入る条件は人それぞれ違うし、その条件を満たせば必ず入れるってもんでもねえ」
そういうものなんだ。じゃあ火神君にとっての条件ってなんだろう?
青峰「まあ火神の意志やチームの意図はなんにせよ、ゾーンに入ったことに変わりはねえ。とりあえずこっからの火神は見物だぜ」