第14章 もう一度
黒子side
自販機でペットボトルを2本買いました。1本は穂波さんの好きな紅茶、もう1本は僕用のお茶。
今から彼女の部屋へ行って大事な話をしなければなりません。体調を崩している君にこんな話をするのは酷だとわかっていますが、今を逃したら僕の決意が揺らいでしまいます。もう2度と君を傷つけないようにするための決意が。
カントクに頼んで部屋へ上がらせてもらいました。部屋の中央に座っている君の正面に僕も座りました。思っていたより顔色もいいし、元気になったみたいですね。安心しました。
穂波「リコ先輩、私かテツヤ君がこの部屋から出るまで誰も近づけないようにしてもらえませんか?お願いします」
大事な話があるので、と君は続けました。もしかしたら君も僕と同じ結論にたどり着いたのでしょうか。
黒子「僕からもお願いします、カントク」
カントクは小さくため息をつくと、わかったわと言って外へ出て行きました。ありがとうございますカントク。
黒子「これ、お見舞です。体調の方はどうですか?」
ペットボトルを差し出しました。君は受け取ってくれました。
穂波「ありがとう。もう平気。心配かけてごめんなさい」
黒子「いえ、元気になってよかったです。…それで、穂波さんまず僕の話から聞いてもらえませんか?」
穂波「うん、いいよ?」
僕はペットボトルのお茶を一口飲むと君の目を見て言いました。