第14章 もう一度
穂波side
うーん眠い…あーそうだ私寝ちゃったんだ明方近くまでは色々考えてたんだけど。今何時だろ…って10時半⁈ヤバい寝過ごした‼︎
ーって今日はやらなくていいと言われたんだっけ。
一晩中考えてもどうすれば彼に信じてもらえるのかなんてわからなかった。同じ所をぐるぐる回っているみたいに答えなんて出なかった。いや、本当はもう答えは出ているんだ。もう一度彼に好きだと伝えよう。傷つけられても、信じてもらえなくても、それでも私は彼のことが好きなんだと。たったそれだけのことなのに勇気がなくて理由を探してばかりいた。それでは答えなんて見つかる訳ない。彼を好きなことに理由なんて無いのだから。
結局直球勝負になるんだと思うと苦笑するしかない。遠足で乗った観覧車の中で告白しようとした時のことを思い出す。あの時はタイムオーバーだったけど今度は違う。きちんと伝えよう、彼への想いを。彼ならきっとわかってくれると信じているから。
腹を括ってしまえばさっぱりしたもので、あれだけ悩んでいたのが嘘みたいだ。ただ部屋に籠っているだけなのもなんだかみんなに悪いような気がしてきた。時間的にはそろそろ昼食の準備をする頃だ。リコ先輩はやらなくていいと言っていたけど、本来食事の支度は私の仕事だ。簡単に作れるもので温め直すだけで食べられるものっていうと…カレーかな?スープとサラダも作っておけば栄養が偏ることもないだろう。早速チャチャっと作ってしまおう。
…最後に隠し味のインスタントコーヒーとプレーンヨーグルトを入れて一煮立ちっと。よし、カレーは完成。サラダは大皿に作っておいて各自取り分けてもらうとして、スープはどうかな?あ、いい感じにできてる。もうすぐご飯も炊けるし、人数分のお皿とスプーンとフォークを用意して準備完了‼︎さあ、みんなに見つからない内に部屋に戻ろう。
お昼休憩が終わる頃、部屋に戻ってきたリコ先輩に「おとなしくしてなさいって言ったでしょ‼︎」と叱られた。でもテツヤ君が珍しく自分からおかわりして食べていたと聞いて嬉しくなった。気に入ってもらえたんだ、よかった。