第13章 信じて
夜風に当たって頭を冷やそうと砂浜のコートへとやってきました。ゴールにもたれながら何をするでもなくただ海を見つめていました。どのくらいそうしていたのでしょうか。ほんの数分かもしれないし、数十分だったかもしれません。ただぼんやりと海を見つめていたので、君が近くに来るまで気がつきませんでした。
穂波「よかった‼︎テツヤ君見つけた‼︎」
黒子「穂波さん…どうしてここに」
穂波「旅館中探してもテツヤ君いなくてどうしようと思ってたら秀徳の…緑山君だっけ?が教えてくれたの。テツヤ君ならここじゃないかって」
黒子「緑間君が…ですか?」
どうして緑間君が?それよりいつの間にそんなに仲良くなったんですか?胸の奥がまたザワザワします。
穂波「うん、テツヤ君が考え事するならコートだって教えてくれたの。体育館は今は入れないからこっちかなと思って来てみたらいてくれてよかった」
黒子「こんな時間に1人で外に出たら危ないですよ」
穂波「うん、でもどうしてもテツヤ君と話がしたくて」
黒子「僕と話…ですか?」
穂波「うんそう。すごく大事な話」
真剣な顔の君を見て、背中を一筋汗が流れていきました。