第13章 信じて
穂波「あの、それよりお風呂にはお二人しかいなかったんですか?」
高尾「ああ、今入ってたのは俺らだけ」
うわーんどこ行っちゃったのテツヤ君?涙出そうだマジで。
緑間「黒子に何の用なのだよ」
穂波「えーと、テツヤ君今日途中から様子がおかしかったから…私はバスケは素人だからよくわからないけれど話を聞くぐらいはできると思って…」
高尾「バスケは素人って、マネージャーなのに?」
穂波「私は合宿中だけの臨時マネージャーなんです。ウチはマネージャーがいないから、マネージャーの仕事は監督のリヨ先輩がしてるんです。それでせめて合宿中だけでも先輩の負担を減らそうってことで部員の皆さんが私を誘ってくれたんですよ」
高尾「何その素敵システム、誠凛マジうらやま」
眼鏡の人は何か考えこんでいる。心当たりでもあるのかな?
緑間「黒子なら恐らく外だろう。バスケのできる場所にいるはずなのだよ」
高尾「さっすが真ちゃん、元チームメイトのことよくわかってんね」
緑間「うるさい黙れ高尾」
穂波「あの、テツヤ君の元チームメイトってことはもしかしてキセキの世代の…?」
高尾「そうそう、キセキの世代No.1シューターの緑間真太郎。ウチのエース様」
え?この人がそうなの⁈じゃあぞうさんのジョウロは今日のラッキーアイテム?本当に持ちあるいてるんだ…ってそんなことより
穂波「あの、どうしてテツヤ君の居場所を知っているんですか?」
緑間「以前本人が言っていたのだよ。考え事をする時は自然と足がコートへ向くと」
じゃあテツヤ君はきっとあそこだ。急げばまだいるかもしれない。
穂波「あの!お二人ともありがとうございました。私行ってみます」
高尾「ああ、見つかるといいな」
緑間「もう遅いから気をつけるのだよ」
二人にお礼を言うと、私は外へと走りだした。まだいてくれますように。