第2章 始まりの花
穂波side
それから私達はよく話すようになった。相変わらず名前を間違えまくる私に、彼は怒りもせず接してくれた。
黒子「小坂さん、この間の桜並木の件ですけど」
あ、覚えててくれたんだ。でも今年は開花が遅かったとはいえ、もうそろそろ見頃も終わりなんじゃないかな?
黒子「満開は過ぎてしまいましたがまだ綺麗に咲いているので今日の帰りに行ってみませんか?」
穂波「うんいいよ、楽しみだね黒川君!」
黒子「僕は黒子です」
放課後、部活に顔を出しに行った彼を校門で待った。今日は監督さんの都合でミーティングと自主練だけらしい。自主練とはいえ、練習サボって大丈夫なのかな?そんなことを考えながら待っていると誰かが走って近寄って来た。
黒子「小坂さん、お待たせしました」
穂波「わざわざ走ってこなくても大丈夫だよ、そんなに待ってないし」
黒子「僕の方から誘っておいてお待たせするのは気が引けます」
おぉ紳士だ。
穂波「じゃあ早速行こうか。案内よろしく」