第2章 始まりの花
黒子side
僕のことが見える人がいるのには驚きました。しかも小坂さんは昨日僕の頭の上に乗っていた桜の花のことまで知っていました。自分でも家に帰るまで気がつかなかったのに。
黒子「通学路に桜の並木道があるんです。とても綺麗なのでその下を通って来るのですが、そうすると肩や髪にどうしても花びらがついてしまって」
全部はらったつもりでいたのですが、一枚残っていたようです。
穂波「へえー、そんな綺麗な所があるんだ…ちょっと見てみたいかも」
そう言って鏡を貸してくれました。優しい人ですね。
黒子「よかったら今度案内します。今日のお礼に」
穂波「え⁈それは流石に悪いよこのくらいのことで」
黒子「いえ、僕がお礼をしたいんです。案内させてください。」
このクラスで僕に気がついてくれたのは君が初めてです。それが僕にはとても嬉しかったんです。
穂波「…うん、じゃあよろしくお願いします。」
そう言って少し恥ずかしそうに笑ってくれました。かわいい人ですね。
穂波「あ、先生来たよ、えーと…黒野君」
黒子「僕は黒子です」