第12章 開始
穂波「あの、リナ先輩、そっちは私がやりますからご飯よそってください」
リコ「あらそう?それじゃあお願いね」
今朝は先輩と二人で朝食の準備をしている。基本的に作るのは私で、先輩は配膳。あ、そうだレモン切らなきゃ…って‼︎
穂波「リホ先輩何ケチャップ爆発させてるんですか⁈」
リコ「ごめんごめん、ちょっと力入れ過ぎちゃって」
どんだけ力いっぱい押したんですか。
穂波「すぐ拭いてくださいシミになります」
先輩が服や髪に着いたケチャップを拭いている間にレモンを切る。昨日タッパ一個で足りなかったから…3個くらい作っておこうっと。火神君半端無く食べるしね。
リコ「あら、穂波何作ってるの?」
穂波「レモンの蜂蜜漬けです。今から作っておけば休憩時間に丁度良くなりますから」
リコ「気を使わせて悪いわね…っていくつ切ってるのあんたは⁈」
穂波「はい?昨日作った感じだと足りなかったみたいなので今日は多めにと思って」
リコ「いくらなんでも作り過ぎでしょ‼︎そんな大きなタッパ3個なんて」
怒られてしまいました。
何やら玄関の方が騒がしい。何かあったのかな?
リコ「なんか騒がしいわね。ちょっと見てくるから」
穂波「お願いします…ってリノ先輩何で包丁持ってくんですか⁈」
私は後で知ったことだが、ウチも対戦したことがある秀徳高校という強豪校が同じ宿を使って合宿始めることになった。なんだかにぎやかになりそうだ。
今日もやっぱり午前中は砂浜で、午後からは体育館での練習。午前中の休憩時間にレモンを出したらみんなの動きが一瞬止まった。大きなタッパになみなみとレモンが漬かってたら、そりゃ驚くよね。
リコ「まだ後ふたつあるのよ、そのタッパ」
日向「いくらなんでも作り過ぎだダアホ‼︎」
また怒られてしまいました。