第8章 蕾
黒子side
小坂さんが体育館に入ってきたのにはすぐ気づきました。誰かを探しているようですね。声をかけていいものか少し躊躇いましたが、思い切って声をかけることにしました。
黒子「どうしたんですか小坂さん」
驚かせてしまったようです。でも一瞬だけ、以前のように笑ってくれました。すぐに申し訳なさそうな表情になってしまいましたが。また笑ってくれるようになったんですね。よかった。
穂波「あ、うんちょっと火神君に用があって…」
黒子「火神君に…ですか?」
何故火神君に…?自分でも表情が曇るのがわかりました。いけない、これでは彼女を責めているように見えてしまいます。
日向「黒子!何サボってんだダアホ‼︎って誰だその子?」
主将に怒られてしまいました。
黒子「クラスメイトの小坂穂波さんです」
穂波「は、初めまして、小坂穂波です。練習中お邪魔してしまってすみません!」
慌てた様子で頭を下げた小坂さんは、少し緊張しているように見えました。
小金井「えー何何黒子と同じクラスの子?よろしくね〜、俺は2年の小金井で、こっちは同じく2年の水戸部」
水戸部:ペコリ
小金井先輩いつの間に。
穂波「あ、よろしくお願いします」
火神「何やってんだよ小坂」
穂波「何やってんだよじゃないよ火神君‼︎今日提出のプリント火神君だけ出してないから私ここにいるんじゃない‼︎今すぐこのプリントやってよ、私が先生のトコまで持って行かなきゃいけないんだから!」
火神「あー、わすれてた。てかなんでお前が持ってくんだよ?」
穂波「私今日日直なの。職員室に日誌持っていったら先生に捕まってこんなことになってるんですけど誰かさんのせいで」
火神「悪りぃ、じゃあ後でやっとくからソコ置いといてくれ」
火神君、そんなこと言ってていいんですか?後ろからカントクが…。
リコ「いいえ、むしろ今やりなさい火神君。ここで、今すぐに」
カントク、目が笑ってません。