第8章 蕾
火神「え、でもカントク練習が…」
リコ「いいからすぐにやりなさい!だいたい提出物くらいちゃんと出しなさいよ!バカじゃ勝てないっていつも言ってるでしょこのバカガミが‼︎」
あーあ、火神君ハリセンモロにくらってる。まあ、自業自得だから仕方ないね。
穂波「えーと、監督さんですか?」
リコ「え、ああ、うんそう。男子バスケ部監督の相田リコです」
穂波「1年の小坂穂波です。練習中にお邪魔してしまってすみませんでした」
リコ「いいのいいの、元はと言えばプリント忘れた火神君が悪いんだから、あなたは気にしなくていいのよ」
穂波「でも練習、完全に中断してしまって…」
見ればバスケ部の人達は火神君の周りに集まっていた。みんなであーでもないこーでもないと茶々を入れている。なんだかすごく楽しそうだ。
穂波「皆さん仲が良いんですね」
微笑ましくて自然と笑みがこぼれた。私は帰宅部だからこんな仲間はいない。少し羨ましいな。
リコ「ウチはチームワークがウリだからね」
相川先輩…じゃなくて相沢先輩だっけ?が誇らしげに言った。大好きなんですね、バスケと仲間が。胸の奥がチリチリと痛んで思わず下を向いた。
リコ「?どうしたの?」
穂波「いえ、なんでもありません」
視線を感じてそちらを向くと、黒子君がこちらを見ていた。とても複雑そうな表情で。
ごめんなさい、練習の邪魔して。
穂波「火神君早くしてよ。全部3択問題なんだから丸つけるだけじやない。先生も適当でいいって言ってたし、私早く帰りたいんだけど」
火神「おぅ、悪りぃ、じゃ適当に丸つけとく{
スパーン‼︎]」
リコ「ちゃんと解けバカガミ‼︎」
あ、またハリセンくらってる。厳しい人なんだね監督さん。