第8章 蕾
穂波side
体育館前で悩むこと5分。不可抗力だと自分に言い聞かせて扉を開けた。みんな練習している。えーと、火神君は…いたいた。
とりあえず監督さんに言って火神君だけ抜けさせてもらわなきゃ。たしかバスケ部の監督さんって先輩なんだよね?しかも女子の。あの舞台の上から指示出してる人がそうかな?
黒子「どうしたんですか小坂さん?」
え⁈黒子君⁈うそ、最初に気がついてくれるなんて…って嬉しがってる場合じゃなかった。彼にとっては迷惑なんだから。
穂波「あ、うん、ちょっと火神君に用があって…」
黒子「火神君に…ですか?」
あ、今すごく嫌そうな顔してる。ああ見えて実は火神君エースだもんね。練習抜けられたら困るよね。
日向「黒子!何サボってんだダアホ‼︎って誰だその子?」
黒子「クラスメイトの小坂穂波さんです。」
穂波「は、初めまして小坂穂波です。練習中お邪魔してしまってすみません!」
私は慌てて頭を下げた。このメガネの人ちょっと怖い。
小金井「えー何何?黒子と同じクラスの子?よろしくね〜、俺は2年の小金井で、こっちが同じく2年の水戸部」
水戸部:ペコリ
穂波「あ、よろしくお願いします」
って私何挨拶してるんだろう。それよりも火神君にプリントを…。
火神「何やってんだよ小坂」
穂波「何やってんだよじゃないよ火神君‼︎今日提出のプリント火神君だけ出してないから私ここにいるんじゃない‼︎今すぐこのプリントやってよ、私が先生のトコまで持っていかなきゃいけないんだから‼︎」
火神「あー、わすれてた。てか、なんでお前が持ってくんだよ?」
穂波「私今日日直なの。職員室に日誌持っていったら先生に捕まってこんなことになってるんですけど誰かさんのせいで」
火神「悪りぃ、じゃあ後でやっとくからソコ置いといてくれ」
リコ「いいえ、むしろ今やりなさい火神君。ここで、今すぐに」
あ、なんか後ろから殺気がする。振り返るとハリセン片手ににこやかに笑う女の子がいた。この人が監督さん?
黒オーラハンパないけど。