第6章 巡り巡るもの
帰りのバスは律香と並んで座った。黒子君は火神君と部活の話をしていた。
律香「で、どうだったの?」
穂波「タイムオーバー。言おうとしたら下に着いてた」
律香「それ…どこの新喜劇?」
まったくだよ
穂波「とりあえず今日はもうやめとくよ。仕切り直してちゃんと言うから」
律香「でもさぁ、今日一日見てて思ったんだけどあんた達結構いい感じだったんじゃない?」
穂波「そう…かなぁ…?」
後半はともかく、前半はただ迷惑かけただけって気がする。
穂波「そんな簡単にはいかないよ少女漫画じゃないんだから」
学校に着いて「家に帰るまでが遠足だ」という先生からのありがたいお話を拝聴して解散になった。
今日は惜しかったなぁ…。バッチリ告白フラグだったのに。
帰ろうとして振り返ると黒子君がいた。誰か後ろにいるなぁと思ったら君でしたか。
黒子「小坂さん、聞いてほしいことってなんですか?」
このタイミングでですか⁈
でも黒子君の目は真剣だった。ずっと気にしてくれてたんだね、ありがとう。だけどここで公開告白するわけにはいかないから。
穂波「えーと、今日はもう疲れちゃったからまた日を改めて、ね?」
黒子「…わかりました。話したくなったらいつでも言ってください」
ごめんね、気になるよね。だけどちゃんと言うから少しだけ待っててください。
あなたのことが好きですって。