第6章 巡り巡るもの
黒子side
小坂さんは何を言いたかったんでしょうか。あれからずっと黙っています。とても言いにくそうにしていましたし、何か悩み事の相談だったんでしょうか。僕にできることならなんでもしますから話してみてください。帰りのバスの中ででも聞いてみましょう。
隣に座ろうと思っていたのに小坂さんは神原さんと並んでバスに座ってしまいました。代わってくださいと言う訳にもいかず、僕は火神君と前の席へ座りました。
僕と火神君が部活の話をしていると、小坂さん達も小さな声で何か話し始めました。もしかしてさっきのことでしょうか。気になりましたが声が小さくて聞き取れません。学校についたら今度こそ聞いてみましょう。
解散になって小坂さんの所へ急ぎました。声をかける前に振り向いてくれました。
黒子「小坂さん、聞いてほしいことってなんですか?」
一瞬驚いた後、目を伏せてこう言いました。
穂波「えーと、今日はもう疲れちゃったからまた日を改めて、ね?」
やっぱり言いにくいことなんですね。
黒子「…わかりました。話したくなったらいつでも言ってください」
君が話してくれるまで、いつまでも待ちます。