第25章 準々決勝開始
陽泉の攻撃で試合が再開された。火神君とヒクラさんの1on1。相変わらずの超絶美技でフェイクを重ねるヒモトさん。火神君のマークをカットしてシュートと思いきや、火神君は追いついてブロックした。こぼれ球を拾った伊月先輩から火神君へとパスが渡る。今度は紫山君と1on1。火神君はそのままダンクに向かうも紫花君に止められてしまった。やっぱり紫岩君の壁は厚い。
誠凛ボールでオフェンスを始めると、木吉先輩にはトリプルチームがついた。そこまでしなければ木吉先輩を止められないのはわかるけど、他のディフェンスはいいのかなぁ?それとも紫笠君がいればゴール下は磐石だとでも言うのだろうか。そうこうしている内にボールがスティールされてカウンターを受けてしまった。ヒラヨさんにボールが渡り、あのシュートを撃とうと構えた所に火神君がブロックに跳んだ。孤を描きリングへと吸い込まれるはずのボールが跳ね返る。火神君が止めた……?その割りには火神君喜んでないよね?ちょっと気になるけど今はそれどころじゃない。木吉先輩へのトリプルチーム。陽泉は徹底して木吉先輩を封じ込めるつもりだ。隙をついてなんとか伊月先輩へパスが通ったけど、日向先輩にはヒノトさんがついているし中には紫沢君がいる。パスは出せなくてそのまま伊月先輩が3Pを撃った。焦りが出てしまったのか外れてしまったシュートのリバウンドを紫金君が取ろうとした瞬間、後ろからゴールへと押し込む手があった。木吉先輩渾身のダンク。いつの間にか走っていたのだ。30対37。今、流れは誠凛にある。このままなら追いつけるかもしれない。そう思っていた私は甘かった。誠凛にとって重大な案件が、ひっそりと、でも確実に忍び寄ってきていたのだから。