第25章 準々決勝開始
青峰「一つ目は直前の3P。あれを一発で決めたのはでけぇ。確率の悪さを知っててもなお『また入るかも』と思わせるには十分なインパクトだった」
確かにあのインパクトは大きかった。木吉先輩の3Pなんて見たことなかったし。それを一発で決めたのだから、木吉先輩はすごい。
青峰「しかも木吉には『後出しの権利』ってのがあんだろ?いざシュートに行く時もフェイクじゃなく途中まで本気で撃ちにいってる」
木吉先輩の気迫は凄まじい。私から見たら本当にそのままシュートを撃つんじゃないかとしか思えない。コートの中の選手達から見たらなおさらだろう。……あれ?一つ目ってことはまだ何かあるってこと?
青峰「もう一つは……まあ紫原の様子からの推測でしかねーけど……紫原挑発して怒らせただろ、たぶん」
穂波「え⁉︎」
怒らせたって……それが伏線になるの⁉︎だいたいあののんびりした紫川君が怒るって……。あ、でも子供っぽいトコあるから怒らせるのは意外と簡単かも。でもそれが伏線って、どうなの?
青峰「何言ったかは知んねーけど、まー元からあーゆータイプは嫌いだしなあいつは。そーゆー伏線が紫原の体をとっさに動かせちまう」
さすがは元チームメイトだなぁ……見てただけでわかっちゃうなんて。すごいプレイヤーって、そういうトコまで見てるんだ。
青峰「自分が嫌われてることまで作戦に組み込んじまうんだから、人のよさそうな顔して実はしたたかもいいトコだ」
確かに木吉先輩そーゆー所あるかも。したたかっていうか、図太いっていうか、実はやり手?みたいな所。でもそれだけじゃない気がする。木吉先輩のあの気迫は作戦だからとかそういうのだけじゃない。昔大敗した紫山君へのリベンジマッチだからなおさら気合が入ってるんだろう。それがたぶんあの凄まじい気迫を作り出している。
そしてタイムアウトが明けると、土田先輩と交代で火神君が出てきた。