第25章 準々決勝開始
陽泉ボールで第三クオーターが始まった。誠凛は一度テツヤ君を下げてきた。
青峰「テツをひっこめてきたか」
桃井「しかもこれは…トライアングルツー‼︎」
……えーと、確か3人がゾーン、2人がマンツーマンでの守備陣形だよね?少しは私もバスケわかるようになってきたかな?火神君がマンツーマンでついてるヒグロさんにボールが渡る。すごい緊張感だ。
青峰「まだこんなヤツがいたかよ」
青野君が小さくつぶやいた。
青峰「なんだコイツは…。中学ん時はいなかったはずだが…相当やんぞあの12番」
桃井「彼に関しては今大会が初出場で情報がほとんどない…けど大ちゃんが一目で警戒するほどなの…⁉︎」
穂波「そんなに強いんですか?ヒハラさんて」
強い人同士にしかわからない何かがあるんだろう。青原君は相当警戒している。
青峰「お前知ってんのか?あの12番」
穂波「あ、はい。夏休みに一年の皆でストバスの大会に参加した時に相手チームにいたんです。雨で中止になっちゃったからプレイするところはほとんど見てないですけど」
そうか、とだけつぶやいて青柳君はまたコートへと視線を移した。コートでは火神君がヒモトさんと対峙している。ヒロノさんがシュート体勢に入る…と思いきや、それはフェイクでドライブで切り込んだ。火神君はもろにフェイクに引っかかり中へと進入を許してしまう。すかさず日向先輩がディフェンスに向かう。火神君の立て直しも早くて挟み撃ちの形になった。
会場が一瞬静寂に包まれた。が、すぐに割れんばかりの大歓声が巻き起こる。ヒライさんのシュートが鮮やかに決まった。