第25章 準々決勝開始
誠凛ボールで開始された第二クオーター、陽泉は押しつぶすような迫力のディフェンスを仕掛けてきた。
穂波「なんてすごいプレッシャー…」
青峰「そりゃそーだろ」
桃井「え?」
青峰「とどめ刺しに来てんだ陽泉は」
とどめって…20点差にしようってこと⁉︎確かにあの守備力の高さの前で20点差はツラい。下手をしたら本当に0点ゲームなんてこともあり得るだろう。
青峰「この攻めが無得点で終わるようなら誠凛は負けだ」
伊月先輩から木吉先輩へとパスが渡る。木吉先輩は紫坂君をターンでかわしてシュート、と思いきや火神君へパス。そのまま火神君がアリウープへ向かうと、木吉先輩のブロックに飛んでいたはずの紫花君が火神君のブロックに飛んでいた。なんて反射神経なの⁉︎紫谷君に止められたと思った瞬間、火神君がパスに切り替えた。受けた相手はテツヤ君。そのままシュート体勢に入る。が、それにも紫山君はブロックに飛んだ。
穂波「うそ、これにも追いつくの⁉︎」
青峰「いいや、そのシュートはお前でも止められねーよ紫原。なんせドライブ同様消えるぜ、ソレ」
テツヤ君の放ったシュートがゴールネットを揺らす。会場中が息を飲んだ。
「入っ…たっ…」
一瞬の静寂の後、大歓声が会場を揺らす。誠凛の初得点。それはすなわち陽泉の今大会初失点を意味していた。
すごい、すごいよ‼︎イージスの盾とも言われるあの絶対防御からの得点なんて‼︎しかもその得点を挙げたのはテツヤ君だ。特訓の成果が早くも発揮されたんだ。よかったね、テツヤ君。