第25章 準々決勝開始
「穂波あんたせっかくお母さんが来てあげたっていうのにどういうことよ」
穂波「どうもこうもないの。もう試合始まるから私は出かけるの」
「はいはいわかったわ。じゃあお母さんも一緒に行くから」
穂波「は?ちょっとやめてよねそんな恥ずかしいこと‼︎」
「いいじゃないの、ほら行くわよ」
マイペースな母についてこられては困る。てゆーか絶対邪魔する気だ。そっちがその気ならこっちも容赦しない。会場に着くまでは大人しくしていたけれど、会場に着いた所で母をまいた。なかなか振り切れなくて余計な時間がかかり、焦って観客席へと向かう。ヤバい、もう試合始まってるよ…。
2階席の一番後ろからスコアボードを見ると、第1クオーターが終わった所だった。0対18⁈うそ、無得点なんて⁉︎呆然としていると、聞き覚えのある声が近づいてきた。
桃井「大ちゃん早く!もう始まってるよ!」
青峰「あー?なんでオレまで来なきゃなんねーんだよ。来たけりゃ一人で来いよな全く…」
桃井「せっかく一緒にバッシュ買いに行ったのにいきなりすっぽかしたの大ちゃんでしょ!埋め合わせくらいしてよね!」
青峰「てかありゃオレじゃなくてテツのせいだろーがァ」
桃井さんと…桐皇の5番の人⁉︎見に来てたんだ⁉︎
桃井「あれ?…小坂さん?」
青峰「テツの女じゃねーか、何してんだこんなトコで」
穂波「あの…こんにちは。ちょっと事情があって試合開始に間に合わなくて…。お二人共今来た所なんですか?」
青峰「あーまーな。コイツがうるせーから」
桃井「ちょっと大ちゃん⁉︎ホントにもう…。小坂さんも今来た所なんですか?」
穂波「はい…だから第1クオーター何があったのかわからなくて」
青峰「紫原が止めたんだろ、全部」
やっぱりそうか…。2回戦3回戦と見た限り、紫花君のディフェンスはハンパない。誠凛の攻撃力だってなかなかのものだけど、それでも通用しないなんて…。そうこうしている内に第2クオーターが始まった。