第25章 準々決勝開始
あーもう恨む。絶対恨む。一生恨む。お母さん許さない。
ウィンターカップ5日目、準々決勝の日なのになんでお母さんここにいるの⁉︎とっくに冬休みに入ってるのにクリスマスにも帰ってこない娘が心配だからって、いつまで居座るつもりなのよ‼︎試合始まっちゃうじゃない‼︎
今日も早朝からシュートの特訓をしているテツヤ君の為にお弁当を作っていると、玄関のインターホンから良く知る声がした。まさかと思ってドアを開けるとそこには母がいた。固まる私をおいて当然のように中へと入る母。私がお弁当を作っていることに気づくと早速ダメ出しに来る。何しに来たのかと尋ねれば、様子を見に来たとしれっと言う。絶対邪魔しに来たに違いない。事実、私が今から出かけると言っても、あれはどうしたこれはどうだと引き止めるようなことばかり言う。ラチがあかなくてとりあえずリコ先輩と律香に事情をメールして撮影を代わってもらう。私が困っていることなどお構いなしに母はあれこれと親切の押し売りを始めた。どうやら今日は私をマンションから出さないつもりらしい。今日の試合は午後からだけど、そろそろ出かけたいのに…。
いよいよ間に合わなくなるという時間になっても居座り続ける母をおいて出かける支度をしていると、後ろから呆れた声がした。