第3章 えんそくえんそく
穂波「ぅう、気持ち悪い…」
黒子君に手を引かれ、近くのベンチに腰をおろした。
火神「つーか小坂、絶叫系苦手なら先に言えよ」
黒子「そういう火神君も顔色悪いです」
私の背中をさすりながら、黒子君がツッコんだ。
火神「うるせー、俺は平気だっつの」
律香「大丈夫穂波?何か冷たい飲み物買ってこようか?」
穂波「うん…お願い律香」
うぅ、みんなに迷惑かけてるよ…。黒子君はずっと背中をさすってくれていた。
穂波「ごめんね黒子君…」
黒子「いえ、僕の方こそすみません。もっと早く気づいていればこんなことにはならなかったはずなのに」
穂波「黒子君のせいじゃないよ…」
あーもうどうしてこんな体質に生まれちゃったんだろ。せっかくの遊園地なのにみんな全然楽しくないよねきっと…。
黒子「大丈夫ですか小坂さん?」
俯いてしまった私を黒子君が覗き込んだ。顔近いです。
律香「お待たせ穂波〜!って、あれ?なんか顔色おかしいよ?」
黒子「さっきまでは真っ青だったのに今は真っ赤ですね」
火神「なんだよもっと具合悪くなったのかよ」
穂波「ううん、もう大丈夫だから次行こっか?」
私はごまかすように立ち上がるが、すぐにへにゃんとベンチに倒れ込んでしまった。咄嗟に黒子君が支えてくれた。
黒子「無理しないでください小坂さん。もう少し休みましょう」
穂波「でも、そしたらみんな何も乗れなくなっちゃうし…」
律香「じゃあさ、二手に分かれようか?」
え?何言ってんの律香⁈
律香「私と火神君で適当に周ってるから、黒子君は穂波についててあげて?それで12時になったらおひさま広場に集合ってことでどう?」
火神「俺は別にそれでいいぜ」
黒子「僕も構いません」
ちょっ、律香何勝手に仕切ってるの⁈
律香「じゃあ黒子君、穂波のことお願いね。穂波、しっかり介抱してもらうのよ?」
え、いきなり2人きりとか心の準備が…‼︎
黒子「大丈夫ですか小坂さん。さっきから顔色が」
穂波「え⁉︎私変な顔してた⁈」
黒子「いえ、顔色が赤くなったり青くなったりするので大丈夫かと」
穂波「…それは気にしないでください」