第24章 次なる相手は
青峰「ムリヤリ連れてきてヘボシュート見せてどうもこうもあるか!教えるなんて一言も言ってねーだろが‼︎」
黒子「なんでですか?」
青峰「負かした相手に翌日シュート教えろっつってくるお前がどうかしてるわ!」
テツヤ君て動じないなぁ…。ある意味最強かもしれない。黙り込んだテツヤ君を見て、5番の人は一つため息をついてゴール下に座り込む。
青峰「……寝てねーんだよあれから」
黒子「…え?」
青峰「あれから帰ってメシ食ってフロ入って…そんで横になった。けどいつまでたっても眠れやしねー。体はヘトヘトなのに。目をつぶれば試合のシーンが浮かぶんだ」
何かを思い出すみたいに遠くの方を見つめてポツリポツリと彼は続ける。
青峰「ずっと忘れていたあのカンジ。胸がしめつけられて吐き気みたいなむかつきがあって頭がガンガンする。忘れかけて懐かしんではみたものの、いざ味わってみればなんのことはねぇ結局変わらず苦いままだ。最悪の夜だったぜ」
テツヤ君が唇をかむ。勝者と敗者。そこにあるのは高い壁か深い溝か。
青峰「…けど、だからこそ今はバスケが早くしたくてしょーがねー」
黒子「…青峰君」
テツヤ君が目を見開く。5番の人は何か考えるかのように空を見上げていた。
青峰「あーあ…話してたらなんかマジでバスケやりたくなってきたわ」
黒子「え?」
青峰「しょーがねーからつきあってやるよ!」
5番の人は上着を脱いで袖をまくった。
青峰「シュート教えてやるっつってんだよ」
よかったねテツヤ君。…あ、テツヤ君笑ってる。
青峰「?何笑ってんだよ」
黒子「中学の時もよくこうして練習してましたね」
青峰「………いいからとっとと撃て!時間ねーんだろ!」
それから二人はかなり遅くまで練習を続けた。