第23章 緒戦開始
そして、それは突然起きた。
テツヤ君の「今勝つんだ‼︎」という声から伊月先輩がドライブで切り込む。マークについていた4番の人は一歩も動けなかった。そこからシュートが決まる。
今の、何⁈…テツヤ君、まさか⁉︎
その後もスティールから日向先輩が9番の人を抜いてシュートを決めた。恐らく9番の人も日向先輩が消えたように見えたのだろう。テツヤ君の消えるドライブと同じ効果を味方に与える技。多分これがさっきの胸騒ぎの正体。そして正真正銘テツヤ君の最後の切り札。
緑間「…だがこの技にはいくつかリスクがあるのだよ。一つは試合終盤でしか使えない上に…黒子自身に視線を誘導するのはそう長くはもたないはず…。もって試合終了まで…もしかしたらそれすらもたないかもしれない…」
そう、多分この技は試合終了までもたない。テツヤ君にかかる負荷はハンパない。
そしてもう一つ重要なこと、それは…。
緑間「そしてもう一つ…未来を一つ捨てている」
そう、それが胸騒ぎの本当の正体。
緑間「今の黒子はネタばらしをしながら手品をやっているようなものなのだよ。すなわちこの試合が終われば…」
桐皇相手にミスディレクションはもう二度と使えない